寒冷地では冬期の水道凍結対策が絶対に必要です。
被害が深刻な場合は修理代が高額になる場合もあり、集合住宅にいては賠償責任が発生する可能性もあるのです。
知らなかったでは済まされません。北国に住む以上は知っておくべき最重要知識のひとつです。
北海道では水道の凍結防止が必須!
寒冷地では氷点下(0度以下)の日が続くと水道凍結に気を付ける必要があります。
最も凍結が起きやすいのは年末年始の帰省や旅行などで家を留守にする時です。
水は0度以下になると凍ってしまうわけですから、水道管の水も当然凍ります。
水道局では外気温が-4℃以下になった時に注意をするように呼びかけていますが-4℃になったら必ず凍結するかといえばそうではなく、建物の構造や留守の状況によります。
12月~2月は冷え込む時期で、内陸部の寒さが厳しい地域では、連日-10℃を下回ったり、深夜には-20℃~-30℃にまで気温が下がる場合もあります。
ヒーターを点けずに長時間留守にすれば、凍結するのは当たり前です。
暖房器具での火災が心配であれば、水道管の水を全て抜く必要があります。
お正月で2~3日留守にして、水道が凍結してしまうのはわかりますが、旅行に行ったわけでもないのに帰宅したら水道が凍結して水が出なかったという話もあります。
内陸部の寒さが強い地域で、独身で在宅時間が短かく、1階部分が車庫になっている物件だったりすると、仕事に行っただけで水道凍結してしまう可能性もあるのです。
札幌市水道局によると、マンションに比べて一戸建て・アパートでの凍結が多く、単身世帯による凍結が多い傾向があります。
単身世帯では在宅時間が短く、建物が暖まっている時間が短いと考えられます。
在宅していても、深夜に気温が下がり過ぎて、朝起きたら凍っていたという例も少なくありません。
暖かい地域から引越してこられた方が、知らずに水道を凍結させてしまうこともよくあります。
良心的な不動産屋であれば必ず水道凍結への注意を喚起するはずなのですが・・・
北海道では水道の水抜きが当たり前?
セントラルヒーティングのように、安全に家全体を暖める設備が無い場合は『水抜き』が必須です。私は『水落とし』と言っていますが、『水抜き』が正式名称だと思います。
『水抜き』『水落とし』のやり方
1.台所・浴室・洗面台・洗濯給水などの全ての蛇口を開く
2.水の元栓を閉めるor電動水抜装置で水を止める
3.各蛇口の水抜きコックを開ける
4.給湯器の水抜きをする(説明書を見ながら)
5.水が出なくなったら全ての蛇口と水抜きコックを閉める
6.帰宅して使い始める時は水がゴボッゴボッと勢いよく飛び出ることがある
7.凍結しやすい地域や物件で長期間留守にする時は、ホームセンターに売っている不凍液をトイレと排水口に入れておくと完璧
短時間であれば暖房で対処し、数日留守にするのであれば、完全に水抜きすることが最善かと思います。
例えば灯油ストーブや簡易電熱ヒーターのような、それ自体がかなり熱くなる暖房機器は、何日も点けっぱなしにすることは火災の心配もあり、不安です。
隣の部屋や階下の住人が1日中暖房を使用していれば、凍結はしないでしょうが、そんな都合のよい話はありません。
水道凍結は住人の責任ですから、賃貸物件においては借りている自分がしっかりと凍結防止の措置をとる必要があるのです。
はっきり言って、普通の住宅での『水抜き』『水落とし』はかなり面倒くさい作業です。
私も年末年始の帰省の時には必ず水落としをしますが、普段やり慣れていない作業なので、意外と手間取って20~30分もかかってしまいます。
飛行機などの時間もあるでしょうから、余裕を持って取りかかることをおすすめします。
水道凍結してしまった時の修理代は?
水道凍結した時にかかる修理費用は、被害が最少であればおよそ8千円、水道管の破裂にまで至ると数万円~数十万円(最悪の場合百万円以上という可能性もゼロではない)もかかってしまいます。
『水抜き』などの凍結防止を怠ったことで発生した水道凍結の場合、修理費用を請求されます。
入居時に加入した火災保険に水道管修理費用を保障するものが含まれていれば、それで補うことができます。
札幌市で発生した凍結修理の価格帯の割合は、3万円未満が64%、3万円以上が13%、わからない・無回答が残りの23%でした。
軽い凍結ならば次のような方法で、自分で直せる場合もあります。しかしそれでも水が流れなければ、すぐに修理業者に連絡する必要があります。
水道凍結はすぐに修理すれば8千円ほどで済むかもしれませんが、氷点下が続く中で長時間放置すると水道管が破裂して、最終的に浸水の被害にまで発展し、工事費がかさむばかりでなく、同じアパートの住人にも多大なる迷惑をかけることになります。
水道凍結の事故が起きてしまったにせよ、まだ起きていないにせよ、自分の加入している火災保険の内容を一度確認しておくと良いでしょう。更新のタイミングで水道管修理費用を保障してくれるものに切り替えるのも得策です。
まとめ
北海道のような雪国では水落としは必須です。
札幌はあまり冷え込まない地域ですが、空港がある千歳市では冬の-20℃は日常茶飯事です。
お住まいの地域ごとに凍結状態が違ってきますので、職場の同僚やご近所さんに「お宅ではどうしていますか」と情報収集すると良いですよ。
よく1階が車庫になっている建物は水道凍結しやすいと言われます。建築時にしっかりと対策がとられていれば大丈夫でしょうが、念のため注意が必要です。