チャイルドシートが窮屈になってきたらジュニアシートへの切り替え時期ですが、子供が寝てしまった時などのリクライニング機能はどうなっているのでしょうか?
ベビー・チャイルドシートのように子供が寝やすい角度にできるのでしょうか?
ジュニアシートのリクライニングについて、各メーカーの対応や安全性についてご紹介します。
チャイルドシートやジュニアシートの使用率は上がっていますが、間違った使い方をしているために、事故の衝撃で重傷を負ってしまうという悲劇が起こっています。
リクライニングについても間違った認識がされているようです。ジュニアシートを正しくつかわなければ、大切な子供の未来を奪ってしまう可能性があるということを、知る必要があると思います。
ジュニアシートの背もたれは倒せる?
ジュニアシートの背もたれは倒せるのか?→倒せるものと倒せないものがあるのが現状です。
赤ちゃんの頃から使っていたチャイルドシートは子供が寝やすいようにリクライニングできたので、ジュニアシートだってリクライニングできても不思議ではありません。
子供が寝てしまったら、首が苦しくならないように背もたれを倒してあげたいと思うのが親心です。
ママ友や親戚に聞いてみると、「リクライニングできるよ」「車のシートを倒せばその角度に倒れるよ」という声が多いです。
また、ジュニアシートは100cm位~の幼児が対象ですが、90cm前後の2歳児ころから使っているという家庭が少なくありません。
第二子が生まれて、チャイルドシートが2つ必要になり、まだ2歳の第一子には少し早いけれどジュニアシートを購入するというケースや、子供がチャイルドシートの閉塞感が嫌でジュニアシートなら嫌がらないで乗るというケースもあります。
そんな小さい幼児が車でうたた寝した時に、座ったままで姿勢を維持し続けることができるでしょうか?
背もたれのあるジュニアシートでも、首ががくんと前のめりになってしまったり、背もたれのないブースターシートであればシートベルトから外れて上半身が横にはみ出してしまいます。
そんな子供を見たら親はシートを倒して横に倒れないようにしますよね。その方が息もしやすいですし寝心地が良いでしょう。
しかし、それではジュニアシートの安全性は発揮されないというのです。
リクライニングしたために、シートベルトが正しい位置からずれてしまったり、身体とシートベルトの間に隙間ができてしまうので、事故発生時に首や腹部が強く圧迫されひどい怪我につながり易くなります。
背もたれが無いジュニアシートであれば側面からの衝撃には無防備です、また2歳、3歳くらいの小さな体ではシートベルトがしっかりと機能せず、身体がすり抜けてしまったり、それによって首や腹部に致命的な損傷を与える可能性が高くなります。その上リクライニングもしていたら、衝突時の安全性はかなり低くなってしまいます。
JAFでは『ジュニアシートの必要性を検証した衝突テスト』を行っており、間違った使い方をすれば子供の大けがにつながることをわかりやすく動画で紹介しています。(音が出ます)
毎日車に乗っていたらそれが当たり前になって、事故を起こした時の悲惨さを忘れてしまいがちですが、動画でその様子を見れば、自分の子供を守るということがどういうことか改めて実感できます。
ジュニアシートの背もたれの角度は?
最初にジュニアシートは背もたれを倒せるものと倒せないものがあると書きましたが、基本的に「倒せようが倒せまいが倒してはいけない」というのが本来の使い方です。
ジュニアシートの背もたれは適正角度が決まっていて、その角度内で車のシートにぴったりと合わせられるようにリクライニングできるよう設計されているようです。
つまり、寝る為のリクライニングではなく車のシートに合わせる為に備えられている機能だということです。
ジュニアシートの各メーカーでは説明書で以下のような注意を促しています。
レカロ J1
(ブースターシートとして利用する場合も)
車両の座席背もたれがリクライニングできる場合、立てた状態(約5度~15度の範囲)で使用して下さい。
倒し過ぎた状態で使用すると、お子様の身体が車両シートベルトからすり抜けたり、首にかかったりする恐れがあり危険です。
※レカロは2018年を最後にジュニアシートの製作を終了するとのこと。
コンビ ジョイトリップ
極端に倒した状態で使用すると、事故などの衝突時に本来の機能を果たさず、危険です。
アップリカ エアグルーヴプラス
極端に倒した状態で使用すると、事故などの衝突時に本来の機能を果たさず危険です。
エールべべ サラットハイバックジュニア
可倒式シートでのご使用の際は、シート背もたれの角度はできるだけ立ててご使用ください。標準的な角度は5~20°です。極端に寝かせた状態で使用されますと、衝突時に本来の性能が十分に発揮されません。
GRACOグレコ ジュニアプラス メトロポリタン
説明書を見ることはできませんでしたが、2段階のリクライニング機能があり子供が寝た時などには便利であるが、背もたれが安定せずガタガタするとの口コミもアリ
タカタ 312 アイフィックスジュニア
リクライニングについて説明書内に記載なし。口コミによると座席に合わせてリクライニングするらしいです。
同じメーカーでも商品によって、リクライニング角度やリクライニング操作が異なる可能性もありますので、購入前に確認しましょう。
多くの商品は車のシートに合わせて倒すことができるが、中には設置時の角度調節分しかリクライニングできない商品もあるのです。今回紹介したものの中ではレカロのJ1とグレコのジュニアプラスという製品はそれに当たります。
また、全てのジュニアシートの説明書で『前方にエアバックの付いている座席への取り付けは禁止』されています。
関連記事:ジュニアシートはどこにつける?子供を助手席に乗せるのは違反?
追記:ヘッドレストをリクライニングできるジュニアシートを発見!我が家はこちらを購入予定です。
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購入後使ってみた感想です:cybexジュニアシートのレビュー
ジュニアシートのリクライニングについて
ジュニアシートで子供が眠ってしまった時に、背もたれをリクライニングするなら、10°~20°の範囲であればジュニアシートの安全性は確保されます。
倒さなければ子供が苦しそうですし、倒せば安全性を欠くことになるとなると、親としては一体どうしたものかと悩みますが、倒しすぎなければ大丈夫です。
法律で禁止されているわけではないのでリクライニングについては保護者の判断になるでしょうが、衝突時の動画を見れば事故時の悲劇は容易に想像できます。
私個人としては、リクライニングできるチャイルドシートを可能な限りギリギリまで利用し、子供の身体に合わなくなるころにジュニアシートに切り替えるのが、やはり一番の安全策だと結論付けました。
我が家の車では後部座席はリクライニングできないので、なおさらリクライニング可能なチャイルドシートの方が安定感があります。3歳になる頃にはチャイルドシートも窮屈になってきそうなので、そこでジュニアシートに切り替える予定です。
ジュニアシートの中にはチャイルドシートとしても使用できるように1歳から使用できるタイプのものも多いですが、チャイルドモード(9kg以上~18kg)以下でも運転中のリクライニングは安全ではない為15°までとしています。1歳の子どもにはこの角度ではきついのでは?と疑問に思います。
チャイルドシートもジュニアシートも高額な買い物になりますから、子供の年齢にぴったりと合ったものを常に用意することは難しいかもしれませんが、万が一事故が起こってしまった時を想定して、子供が最少限の怪我ですむであろう備えを考えてみて下さいね。
メーカー各社はジュニアシートのリクライニングについてあまり大々的に述べていませんが、説明書の中にはほぼ必ずそのような記載があります。
説明書を端から端まで読む人はあまりいないでしょうから、ほとんどの人が知らなくても当然です。
店頭販売している商品にはそんなことは書いていませんから、説明書を読まなければ永遠に知らずじまいです。
多くの人が当たり前に使っている車のリクラインニング機能ですが、そのまま事故を起こしてしまうとシートベルトやジュニアシートの機能が働かず、重大な怪我をしてしまう可能性が高いのです。
まとめ
今回はジュニアシートの背もたれのリクライニングについてのお話でした。
私が小さい頃はジュニアシートもせずにリクライニングしてグーグー熟睡していたものですが、今になるまでこんなに危険なものだったとは知りませんでした。
事故に遭った時に大人だけ助かって、子供が亡くなってしまうなんて悲しい結末になってしまわないように、保護者として子供の未来をしっかりと守っていくことを改めて心に決めました。
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