引越しなどで冷蔵庫を移動したい時、どうしても立てて積めないことがありますよね。
冷蔵庫の横積みは本当にダメなのか?
どうして横積みしてはいけないのか?
設置後、半日待ってから電源を入れれば大丈夫ってホント?
冷蔵庫の運搬時の取り扱いについてご紹介します。
引越しで冷蔵庫を横にしてもいい?
冷蔵庫はどんな時でも縦置きです。どうしても倒さなければ入らない場合以外は常に縦置きです。
冷蔵庫は立てて運搬・使用するのが原則の電気器機で、横にするのは搬入時に階段やドアをくぐる際にやむを得ず傾ける程度です。
冷蔵庫は使用する時も、運搬する時も縦置きで扱われると想定した構造になっています。
どのメーカーの注意書きを見ても「運搬時の横積みは故障の原因になる」とまで明記してあります。
冷蔵庫より低い窓をくぐるような搬出・搬入の際に一時的に横倒しになるくらいは問題ありませんが、自動車で運搬する際に横積みにしてしまうと故障のリスクが高くなります。
冷蔵庫だけを運びたい時や近距離を移動させたい時などに、トラックを使わずに自家用車で横積みにして運ぶ方は意外と多いですが、壊れてしまう可能性があることを知っておいて下さい。
引っ越し業者や運送業者であれば、冷蔵庫を運ぶ時は絶対に横にしないというのは原則です。
お客様の家財を傷つけたり故障させたりしないためです。
自分で運ぶ際は自己責任ですから、故障した場合の修理や買い替えも考慮してどのように運ぶか決めることになります。
横にすることで心臓部である圧縮機が故障すれば、買った方が安いくらいの修理代になるでしょうし、その他の部分も軸がずれたり、歪んだり、配管が傷ついたりすることで、修理が必要になる場合もあります。
引越しで冷蔵庫を横にしてもいいかと言えば、はっきり言って「ダメ」ですが、横積みで運んでも必ず壊れるわけではありませんから、そこは自己判断になります。
冷蔵庫の横積みは故障する?
冷蔵庫を横にして運搬すると本当に壊れてしまうのか?
冷蔵庫のメーカー側は、横積みに耐える梱包になっていない為、冷蔵庫の傷やへこみ、冷媒配管の変形破損、固定部品の外れによる異常音の原因になるとしています。
また、圧縮機内のオイルが冷却システムに流れ込む可能性があり、電源接続時に冷えない等の故障につながると注意を促しています。
やはり、冷蔵庫を横積みにすると運搬時の自動車の振動や衝撃で何らかのトラブルを起こす可能性が高くなると考えられます。
圧縮機はかなりの重さがあり、立てて使うことを想定した固定方法や振動防止の仕組みになっているので、無理に横倒しにして振動や衝撃が加わると、圧縮機の位置がずれてしまい騒音の原因になったり、圧縮機周囲の配管を傷つけて故障の原因になったりします。
冷蔵庫に使われる冷媒はオゾン層保護を目的に1995年特定フロンから代替フロンのガスに変わり、2002年からは徐々に地球温暖化への影響が少ない炭化水素系のガスが使用されていますが、圧縮機が冷蔵庫の心臓部であるという構造は変わっていません。
冷蔵庫の古い新しいにかかわらず、移動の際には横倒しと衝撃に注意しましょう。
実際に横積みで運んでも大丈夫だったという例もありますが、中には冷えなくなったり、音がうるさくなったりした例もあります。
配送料を抑えるために自力で運んだのに、修理や買い替えの出費がかさんでしまうという結果になってしまうかもしれません。
冷蔵庫の電源は何時間後に入れる?
よく聞く話で、引越しなどで冷蔵庫を移動した際には、数時間~半日電源を入れずにおいてから使用すると故障しにくいと言われます。
これは、運ぶ際に振動で移動した冷蔵庫内のオイルやガスがあるべき場所に落ち着いてから電源を入れることで、圧縮機等の故障を最小限にするという対策のようです。
しかし、メーカーに問い合わせてみると、冷蔵庫を運ぶ際は搬出・搬入以外は必ず縦置きで、設置後すぐに電源を入れても機械を傷めることはないとのことでした。
移動の際に多少なりとも横倒しになっている可能性もあるので、数時間おいてから電源を入れた方がよいかという質問に対しては、はっきりとした回答は無く、縦置きで配送されたのであればすぐに電源を入れて良いとのことでした。
ただ、引越し業者によっては、設置後1~2時間後に電源を入れるよう指示したり、6時間後位に電源を入れるよう指示したり、すぐ電源を入れたりと、対応は各会社ごとに違うようです。
数時間おけば、本当に冷蔵庫の機能が安定するのかははっきりしませんが、もしも横積みで冷蔵庫を運んでしまった時には、念のため半日ほど待ってから電源を入れると良いかもしれませんね。
数多くの事例を持つ引越し業者が提案するくらいですから、少しは効果が期待できるかもしれません。
まとめ
冷蔵庫の移動はとにかく縦置きです。
どのメーカーも横積みは禁止しています。
強い振動や衝撃にも弱く、意外と繊細な家電です。
冷蔵庫だけでも運搬を業者に依頼するという選択肢もあります。
容量が増えれば重さもかなりありますので、業者に依頼せずに自分で運ぶ際には、怪我など十分に注意して取り扱って下さい。