しまいこんでいた五月人形を出してみると、箱や人形にカビが生えてしまっている!!!ということは結構あります。
生えてしまったカビはどうすれば良いか?顔などに汚れがついてしまった場合に修理はできるのか?
カビが生えないようにするには、どうやってしまったら良いのか?
大切な節句の人形の保管方法をご紹介します。
五月人形のカビの取り方
子どもの成長を願って購入した、大切な五月人形にカビが生えていたら、本当にショックですよね。
年に1度しか出さない場合が多いので、保管場所に湿気があったり人形に汚れがついたままになっていると、あっという間にカビが発生してしまいます。
五月人形に生えたカビは軽度のものは除去できますが、金属部分の変色や布部分の黒カビなどは自宅で修復するのは難しいでしょう。
軽いカビ汚れなら落ちる可能性もあるので、まずは全体のカビ掃除をします。
五月人形にカビが生えているのを発見したら、まずは次のものを用意します。
・スプレー容器に入った消毒用エタノールまたは無水エタノールを水で80%に薄めたもの
・いらない布や雑巾
・ゴム手袋
・人形の布部分にカビが生えた場合、ベロア調の生地やマイクロファイバーのような起毛している生地
【説明】
エタノールはカビのたんぱく質を分解するので、殺菌効果があります。これ以上の被害を防ぐために、カビが生えたものや場所などに使います。
一度カビを拭いた布や雑巾で別のところを拭いても、カビを広げるだけです。カビを拭き取った布は捨てます。
エタノールで肌荒れする場合があるのでゴム手袋がおススメです。
起毛素材の布で布素材に付いたカビをこすり落とします。
【注意】
エタノールは非常に揮発性が高い液体です。絶対に火のそばで使わないで下さい。しっかりと換気して下さい。
保管の際も、直射日光が当たるところやストーブやレンジの近くに置かないで下さい。
エタノールはアクリル製のプラスティックを溶かします。スプレー容器はエタノール使用可のものを選びます。本体素材がPETのものもダメです。
五月人形は様々な素材が使われています。ニスが塗ってあるもの、アクリル製のプラスティック、絹や白木などは変色・変質する場合があるので、目立たないところで確認してから注意して使用して下さい。
【使い方】
①まずは外で全てのカビを払います。いらない布か埃取りなどで表面のカビを落とします。マスクをすること。
②起毛素材の布を使いやすい大きさにカットして、隙間に入り込りこんだカビをこすり落とします。
③消毒用エタノールをかけて、陰干しします。
④押し入れなどのカビは、かたく絞った雑巾に消毒用エタノールをかけて一度拭き取り、最後に消毒用エタノールをかけて、完全乾燥させます。
しばらく風通し良くしておきましょう。
外箱にもカビがついているでしょうから、箱は捨てて新しいものを用意しましょう。
カビの菌は目に見えなくても空気中にたくさん存在しますが、目に見えるほど増殖した場合にはもうスーパー大量発生中ですので、なるべく他の場所に広げないように掃除していきます。
掃除機で吸い取るのは個人的には反対です。排気口を屋外に向けてカビの胞子を出したとしても、掃除機内にカビ菌を入れるのがなんだかためらわれます。
余った消毒用エタノールはインフルエンザが流行っている時の手の消毒や、油性マジックやボールペンのインク落としや、テープ剥がし、PCやリモコン、ドアノブなどの手垢落としなどのお掃除にも使えます。
五月人形の修理は?
さて、一通りカビ掃除が終わって、五月人形の状態はどうでしょうか?
カビの侵食がひどい場合には、五月人形の修理も検討しましょう。
カビは発生してからそんなに日数が経っていないものであれば、こすっただけで取れる場合もあります。
例えば、漆器などについたものはこすれば取れることがよくあります。
ただ、屏風などの紙や人形のお顔などの布、金属部分の変色などは自分で直すことは難しいですよね。
あまりにも汚れがひどい場合には、カビによるアレルギーなどもありますので、買い替えを考えても良いと思いますが、購入金額が大きかったり、祖父母からの贈り物だったりすると、修理して使い続けたいですよね。
あまり多くはありませんが、人形修理を専門にしている業者さんがあります。
非常に繊細で専門的な職業なので、修理料金は少し高いと思われるかもしれませんが、大切な人形をきれいにしてくれる頼もしい味方です。
料金は5千円~4万円位になると思います。
お顔や服の交換、紙の貼り替えなどにより、少し模様や雰囲気が変わってしまうこともありますので、ご注意ください。
【人形修理+お住まいの地域】で検索すれば近くで修理してくれるところが見つかるでしょう。
五月人形のしまい方で乾燥剤は必要?
カビが生えてしまったのには原因があります。
次の端午の節句には同じようなことにならないために、環境を改善する必要があります。
一度でもカビが生えたなら乾燥剤は必要です。
以下のことに注意して五月人形を収納して下さい。
①人形や飾りの埃と手垢を全て落とす(カビのご飯です)
②空気の乾燥した日に片づける(洋服なども同じです)
③スノコを敷き、壁との間を5mm程空けて空気の通り道を作る
④押し入れに乾燥剤を入れて、定期的に交換する
※人形や飾りは薄葉紙(うすようし)という薄い和紙でやさしく包み、箱の空いた所には新しい新聞紙を丸めて入れましょう。
和紙は調湿機能があり、新聞紙には防虫と吸湿の効果があります。
さらに、人形に直接触れないように、人形用調湿剤を入れれば完璧です。
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防虫剤は必要ですが、衣類用ではなく、人形用防虫剤を使いましょう。
人形や飾りの変色の原因になりますから、必ず直接触れないように、容量を守って使用します。
毎年同じメーカーの防虫剤を使用するのが無難です。
なぜなら、防虫剤に使われている有効成分には数種類あり、組み合わせによっては化学反応を起こして、人形が染みになったり、プラスティックが歪んでしまう場合もあるからです。
まとめ
こうして見てみると、節句の人形は購入するのも高額ですし、手入れにも手間とコストがかかりますね。
それでも長く日本の伝承文化として根付いているのは、やはり子どもを想う親心ですよね。
親が心をこめて自分の人形を大切にしている姿を見て、子どもたちは「自分って大切な存在なんだな」と感じますし、親になった時には自分の子供にも同じようにしてあげたいと思うんでしょうね。
これからも残っていてほしい風習のひとつです。