魚を1匹丸ごと調理して、盛り付ける時、頭をどちら側に向けるかわからなくなりますか?
盛り付ける時の向きも大事ですが、盛り付けた時に見栄えが良くなるように、調理する時の向きも大事なんですよ。
お腹に入ってしまえば同じと思えば意味のないことですが、せっかくの手料理ですから盛り付けにも心配りがあると、その美味しさは格別なものになるでしょう。
魚料理の頭の向きは?
魚料理を尾頭(おかしら)付きで盛り付けることは意外と多いです。
鯛のような豪華なものでなくても、サンマやシシャモ、メバルやハタハタのような身近な魚も尾頭付きで食卓に上ります。

シシャモでさえも向きが決まっている
これらの魚は基本的に全て頭が左、お腹が手前にくるように盛り付けます。
頭を右側にするのは縁起が悪いものとされ、マナーや行儀に細かい人にとっては黙っていられないマナー違反ともいえます。
自分1人での食事などではあまり気にする必要はないかもしれませんが、義理の実家などでお料理のお手伝いをする時などは注意した方が良いでしょう。嫁としての評価が下がることは間違いありません。
そんなことで人間の評価を決めるのもどうかとは思いますが、残念ながらそれが現実です。
毎回、どちら向きだったか忘れてしまう人は、こんな覚え方はどうでしょうか?
志村けんの『アイーン』してみて下さい。ハイ、その手の向きがお魚の向きです。
もしかして、左利きの人は左手で『アイーン』なのでしょうか?ぜひ右手でお願いします。
せっかくお魚の向きがわかったところですが、ここで問題発生です。
よく煮付けや焼きもの、揚げ物にする『カレイ』という魚ですが、これだけはほかの魚と形が違います。
一般的な魚は頭を左にすると、腹が手前にきますが、カレイは頭を左にすると腹が奥になってしまいます。
腹を手前にしようとすると、裏返して白い部分を表にすることになります。さてどうしたものでしょうか。
これにははっきりと正解がなく、地域や各家庭で異なるようです。
頭は左向きにし、黒い面を表にして盛り付けるか、白い面を表にして盛り付けるかで大きく分かれます。また、頭を右側にして黒い面を表にして盛り付けるという人もいます。
私の生活圏であります北海道の道央・道南地区では頭を左にし黒い面を表にして盛り付けます。スーパーなどで売られている『カレイの煮つけ』なども黒い面が上になっていますし、漁師の家に生まれた母もそのように盛り付けます。
地域によって違うのでしょう。スーパーや魚屋で購入する際に並べてあるカレイを見ればその地域でのやり方がわかります。
魚を焼く時の向きは?
魚をグリルで焼く時には、適当に並べるのではなく、お皿に盛りつけた時の見栄えが良いように考えて焼いていきます。
【両面焼きの魚焼き器の場合】
盛り付ける向きと同じ向きで焼きます。『アイーン』の向きです。
【片面焼きの魚焼き器の場合】
盛り付ける面と反対の面から焼きます。
↓
裏返して焼きあがったら『アイーン』の向きでお皿に盛り付けます。
※お肉を焼く時などは焼き目がしっかりと付いた面を表にすると美味しそうですが、魚の場合はふっくらときれいな焼き目がついた面を表にすると見栄えが良いです。
焼き網の跡がついていない面を上にするのです。
ただし、BQQの炭火などで焼いた時は両面に網目がついてしまうので、例外です。
煮魚にする時の頭の向きは?
煮魚にする時は調理中に魚を裏返さないので、食卓に出すままの向きで鍋に入れます。
つまり、頭が左で腹が手前の『アイーン』の向きです。
煮魚はとても煮崩れしやすいので、盛り付ける向きで煮て、煮えたらそのまま『そ~っと』お皿に盛りつけます。
魚料理の向きのまとめ
普段食べる時は気にしていない魚の頭の向きですが、いざ自分で盛り付けるとなると「あれ、どっちだっけ?」となりがちです。
また、調理前に知っておかないと、盛り付けた時に魚が崩れてしまったりして見栄えが悪くなってしまいます。
目上の人から、「魚の向きが間違っている」と指摘されてばつが悪い思いをしないよう気をつけておきましょう。